当院では機能解剖に基づいた診断および治療を心がけています。機能解剖とは、からだの動きや姿勢を仮定した解剖学のことで、からだの部位に存在する骨や靭帯、筋肉などの解剖学的構成体が、からだの動きによってどのように動くのか解剖学と運動学が合わさった考え方です。
例えば膝関節疾患の代表例として「変形性膝関節症」が挙げられますが、膝の内側に痛みがある方もいれば、膝の裏側が痛い方、膝蓋骨の下側に痛みがある方など人によって異なる場合があります。同じ診断名でも痛みの場所が異なるということは、痛みの原因となっている解剖学的組織も
異なることが考えられ、治療方針も異なってきます。
また、問診により得られる情報が大事であると考えており、どこの部位が(=解剖学的組織の推測)、どのような時に(=その組織に加わる負荷を推察)痛いのか詳細に聴取することによって痛みの原因組織を特定することを心がけています。
必要に応じてリハビリテーション室でも超音波画像診断装置を用いて、組織の状態を評価・確認しています。痛みの原因および原因組織を可能な限り早期に特定することで、状態に応じた最適な治療を提供することが可能となり、結果として最短で痛みを取り除くことができると考えています。

