切らないばね指手術

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ばね指とは?

手の指を曲げる(屈筋)腱は、腱鞘(けんしょう)というトンネルの中を通っています。
これらが使い過ぎなどによって炎症を生じる結果、腱鞘が狭くなる・腱が肥厚することで通過障害が生じます。それにより(屈筋)腱が腱鞘を通る時に引っかかり(弾発現象)を呈します。これを「ばね指」といいます。

ばね指の原因は?

更年期の女性に多く、妊娠出産期の女性にも多く生じます。また、手の使いすぎやスポーツ・指を良く使う仕事の人に多いのも特徴です。

治療方針は?

まず安静を第一としますが、効果がなければ痛み止めの注射(腱鞘ブロック)などを組み合わせて保存的治療を行います。
保存治療の効果が少なく、症状が残るまたは繰り返す場合には手術治療を考えます。
一般的には数㎝の皮膚を切り、腱鞘を切開する方法が主流です。
直視で腱鞘を切開するので確実性はありますが、切開した皮膚を縫合するため、術後1-2週程度は水仕事ができないなどのデメリットもあります。

切らないばね指手術とは?

当院では上記デメリットを回避するため、患者さんの負担が少ないように超音波(エコー)を用いて「切らないばね指手術」を行っています。 エコーを用いることで、皮膚を切らずに肥厚した腱鞘の病変部位を確認できます。 エコーを用いて注射針だけで腱鞘を切開して通過障害を改善する最小侵襲手術です。

手順としては

  1. 麻酔:病変部位に麻酔の注射を行います
  2. 病変部位の確認:エコーを用いて病変部位を確認。腱の滑走や通過障害を確認します
  3. 処置:エコーを用いて病変部位である肥厚した腱鞘を注射針で切開します
  4. 確認:エコーにて切開部位・腱の滑走・通過障害が改善していることを確認します (*手術時間は15-30分程度で終了となります。)

切らないばね指手術のメリット

・痛みが少ない
・日帰り手術
・傷が残らない(皮膚切開はありません)
・消毒など処置のための通院がない
・水仕事が術当日から可能
・出血が少ない

(注)ばね指の重症度に応じて上記処置が適応にならない場合があります。