動注(動脈注射)治療は関節炎など様々な病態により生じた、異常血管(もやもや血管)を塞栓することで、患部の炎症を抑制し疼痛を軽減する治療です(保険外診療)
整形外科疾患において、へバーデン結節による関節炎やアキレス腱炎・足底腱膜炎など診断は可能であっても、治療となると鎮痛剤・湿布などで対応するしかなく、難治例で炎症が持続する症例においてはステロイド注射などで、その場の炎症を軽減する治療しかない場合が少なくありません。ステロイド注射は除痛効果が優れている反面、関節軟骨へのダメージや、皮膚・皮下脂肪委縮、組織の脆弱性を高めるなどの副作用もあり、繰り返し投与は避けたい治療になります。
そこで最近の研究で、痛みの原因となる「異常な血管」(モヤモヤ血管)が存在することが確認され、この痛みに関与しているモヤモヤ血管を減少させることによって、高い除痛効果が期待できることがわかってきました。この動注治療は国内では既に5000例以上の方がこの治療を受けており、ほとんど副作用が出ておりませんので、安全な治療として提供できます。
この治療はオクノクリニックの奥野先生によって2014年に開発されたものです。
当院はオクノクリニック(https://okuno-y-clinic.com/)とライセンス契約を結び、動注治療を行なっております。

動注治療の流れ
①治療までのながれ
まずは通常の診療に沿って、外来受診をお願いしています。
エコーやレントゲン、MRI検査など診断に必要な検査を保険診療内で行います。
その結果、動注治療の適応と判断された場合に、ご希望があれば動注治療日程の予約調整させていただきます(毎週土曜日 午後診療時間で対応しております)。
-おもな治療適応-
へバーデン結節(手指第1関節)
プシャール結節(手指第2関節)
母指CM関節症
関節リウマチによる手指関節炎
手根管症候群
足底筋膜炎
アキレス腱炎
シンスプリント
有痛性外脛骨など
*様々な病態に適応になる可能性があります。気になる方は受診をお勧めします*
②治療当日
治療当日の制限は特にありません。
まずエコーにて穿刺する動脈を確認します。
動脈周囲に細い針で局所麻酔薬を投与します。その後、治療薬剤を投与します。
治療自体は約5-10分で終了します。
注射後は圧迫止血を行い、血腫の形成など副作用がないことを確認し帰宅いただけます。
当日は安静にしていただきますが、シャワーや通常の生活は可能となります。
③治療後の痛み・効果
薬剤の投入時に一時的に熱感や痛みが出ることがあります。この症状は一時的なもので問題ありません。一時的な皮膚の色調変化や阻血状態による痛み・違和感が生じることがありますが、一過性です。その他、皮下血腫、針刺しによる知覚異常、感染症、抗生物質のアレルギー反応などが報告されています。詳細は診察時に医師にご相談ください。
④治療費
へバーデン・母指CM関節症など
片手 25,000円(税込価格: 27,500円) 両手 35,000円(税込価格: 38,500円)
足底腱膜炎、アキレス腱炎、シンスプリント、有痛性外脛骨、リウマチ(外反母趾)足など
片足 30,000円(税込価格: 33,000円)両足 40,000円(税込価格: 44,000円)
テニス肘、ゴルフ肘など
片肘 30,000円(税込価格: 33,000円)両肘 40,000円(税込価格: 44,000円)
膝関節・股関節・その他
片側 40,000(税込価格: 44,000円) 両側 50,000円(税込価格: 55,000円)
⑤動注治療が受けられない方
次の疾患が禁忌とされています。
・抗生剤アレルギーのある方
・悪性腫瘍
・治療部位に創傷がある方
・発熱や体調不良の方
・妊婦や出産直後の