大腸CT:大腸がんを早期発見するために
がん罹患部位・がん部位別死亡率において大腸がんはいずれも上位を占めています。
大腸がんは見つけるのが早ければ早いほど治る可能性が高くなります。
早期の段階で発見できるように、定期的な検診を受診することが重要となります。
では、大腸がんの早期発見のためにどのような検査方法があるのでしょうか。
便検査
便潜血検査は、便の中に血液が混ざっていないかを確認する検査です。
主に大腸がんのスクリーニング検査として健康診断でよく使用されています。
通常2日分の便を採取しますが、食事制限がなく簡便な検査であると言えます。
便検査陽性の場合は精密検査(大腸内視鏡検査・大腸CT検査)が必要です。
便潜血は有効な検査ではありますが、出血しないポリープや早期がんもあるため簡便ではありますが、確実な検査とまでは言えません。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
内視鏡検査は小さい腫瘍や早期がんの段階で見つけることが可能であり、早期発見に適した検査方法の一つです。また異常な組織を見つけた場合に、その場で組織採取や処置を行うことが可能です。ただし、下剤を使用することや内視鏡を体内に挿入するため体への負担が大きいこと、また検査時間が数十分と長くかかります。
そこで最近、新たな精密検査の一つとして大腸CT検査が注目されています。
大腸CT検査
最新の精密検査法である大腸CT検査とは、大腸に炭酸ガスを注入し腸管を膨らませた状態でCT撮影を行い、3次元画像を作成することで大腸の病気を診断します。
大腸内視鏡検査のように、その場で組織を採取したり治療をすることはできませんが、大腸内視鏡検査に比べ食事制限や飲用する下剤量が少なく、体への負担も少ないのが特徴です。また、検査時間も短時間(約10-15分程度)である事も大きな特徴です。
大腸CT検査では、特別な解析装置を用いてポリープなどの病変を内視鏡検査と同じように描出します。診断精度は内視鏡に匹敵すると言われています。内視鏡を挿入する際の痛みが心配な方にお勧めです。ただし、病変部が見つかった場合には、組織採取のために大腸内視鏡検査が必要になります。
大腸CT検査の流れ
主に、前処置➡腸管拡張➡CT撮影➡画像処理➡診断の流れで行っていきます。
(診断結果の説明は後日になる場合があります)
検査前の準備として前処置があります。検査前には大腸内に食物残渣・便が残らないようにする必要があります。特に前日の食事制限はありませんが、当院ではエニマクリンPO(グリコ)を大腸検査食として対応しています。食後に造影剤(夕食後にはマグコロールP(粉末)追加)を摂ります。検査当日の朝食は食べずに検査を行います(水分摂取可)。
大腸検査薬 エニマクリンPO 3食セット(グリコ)
*大腸CT検査を行う前には腸内を綺麗にきれいにしておくことが必要です。
*検査前日の食事として開発され、消化に消化に良い食事です。
実際の大腸CT画像
体への負担が少なくこのような鮮明な画像で腸のヒダの裏側まで確認できるのが特徴です。